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通常の矯正治療における抜歯の本数は、患者さんの歯並びや顎の状態、治療計画によって大きく異なります。しかし、一般的なケースを基に解説すると、以下のように分けられます。

• 軽度の歯列不正の場合

  軽度の歯列不正やわずかなズレがある場合、抜歯を行わずに矯正治療を進めることが可能なケースもあります。この場合、既存のスペースを有効活用したり、歯を微妙に動かして隙間を作り出したりすることで、歯並びを整えます。

• 中度から重度の歯列不正の場合

  中度から重度の歯列不正や過密状態の場合、通常は2本から4本の歯を抜歯することが一般的です。最もよく行われるのは、上下の顎からそれぞれ1本ずつ、合計4本の抜歯です。これにより、矯正治療に必要なスペースを確保し、歯並びや咬み合わせを効果的に改善することができます。

矯正治療における抜歯の必要性は、患者さんのお口の状態や矯正目標に基づいて決定されます。以下に、抜歯が必要とされる主な理由を解説しました。

• スペースの確保

  矯正治療で最も一般的な抜歯の理由は、歯を動かすためのスペースを確保することです。特に、歯が大きすぎるか、あごのスペースが狭い場合、物理的に歯がきれいに並ぶスペースが不足しています。このような状況では、適切な位置に歯を並べるためには、一定数の歯を抜歯してスペースを作り出す必要があります。

• 親知らずの影響

  親知らずが斜めに生えている場合、前の歯に悪影響を及ぼし、歯並びを悪化させることがあります。このような親知らずは、矯正治療の障害となるため、抜歯することが推奨されます。親知らずを抜歯することで、矯正治療をスムーズに進めることができ、矯正後の後戻りを防ぐ効果も期待できます。

• 噛み合わせの改善

  上下のあごがアンバランスで、その結果噛み合わせにズレが生じている場合、単に歯を動かすだけでは解決できないことがあります。このようなケースでは、外科的矯正治療と組み合わせて、抜歯を行うことで、噛み合わせのバランスを整えることが可能になります。

• 横顔のバランス

  非抜歯で矯正を進めると、前歯が押し出され、口元が前に出てしまうリスクがあります。これは、横顔のバランスを崩す原因になります。適切な抜歯を行うことで、歯を内側に移動させ、横顔のバランスを整えることができます。